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おしらせ

2007年01月07日養蜂ワークショップ

 

2006年12月14日、日本在来種みつばちの会会長で、養蜂家の藤原誠太さんが御所浦に来島されました。
藤原誠太さんは、日本ミツバチ研究の第一人者として知られている方です。
藤原さんが御所浦に来たのは、御所浦で活動している有志団体「ビオアイランドネットワーク」が、御所浦での養蜂の可能性を探るための「養蜂ワークショップ」に講師として招待したからです。

「養蜂ワークショップ」は12月14日・15日の2日間をかけて行なわれました。
「養蜂ワークショップ」の目的は、島民が藤原誠太さんと一緒に、日本ミツバチとその蜂蜜のもつ様々な魅力を学ぶこと、島内を巡り御所浦でどのような養蜂の可能性があるかを検討すること、そして巣箱を設置して実際に御所浦で日本ミツバチの飼育を始めることでした。


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1日目の講習会。30名ほどの参加者は、農家の方、役場の方、趣味として養蜂をやりたいと考えている方、漁師など、様々な職種の方々です。
藤原さんが、ミツバチには西洋ミツバチと日本ミツバチ(東洋ミツバチ)がいて、その生態がどのように違うのか、また、養蜂の実践の場での経験を交えながらその魅力や可能性ついての話すのを、参加者の皆さん興味津々といった様子で聞き入っていました。
講習会の最後には、藤原さんが持ってきた蜂蜜を試食。
市場に出ているほとんどの蜂蜜は水飴が入っていますが、藤原さんが持ってきたのはもちろん100%混ぜ物なしの蜂蜜。
「とても良い香りがする。」
「おいしい。」
その蜂蜜を一口食べると、その香り豊かなおいしさに、皆さん自然と顔から笑みがこぼれていました。

2日目、前日の参加者の「ミツバチの巣のありそうな場所がある」という話を手がかりに、ワークショップ参加者と藤原さんの10名ほどで、午前中から牧島や外平地区でミツバチを探索。
牧島で巣を発見することはできませんでしたが、外平の農道の護崖された崖面の穴に野生のミツバチの巣を確認することができました。
見つけた巣にいた蜂は日本ミツバチでした。
「御所浦に野生の日本ミツバチが住み着いているということは、日本ミツバチの養蜂も可能だということです。」 と藤原さんも御所浦での日本ミツバチの養蜂に太鼓判。

午後、巣箱を御所浦島洲の田地区の畑に、参加者と藤原さんが協力して据付けます。その巣箱に福岡から宅急便で送られてきた日本ミツバチを移し変えます。
日本ミツバチは西洋ミツバチに比べて刺すことが少ないとはいえ、ミツバチを扱うときは真っ白な服に防護網(顔を守る為の網)といった格好で行います。ミツバチが飛び交う中、藤原さんが手際よくミツバチを移し換え参加者一同一安心。
無事に設置を終えた巣箱に、防寒のための発泡スチロールをくくり付けて完成です。
このミツバチの世話は「ビオアイランドネットワーク」の小室さんがされるとのこと。
藤原さんに聞くと
「冬の間は週一回程度、掃除をしてあげれば大丈夫です。春も4月を過ぎれば、1升くらいは蜂蜜が取れると思いますよ。」
今からその収穫が待ち遠しい。

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■ 外平でミツバチの巣を発見!
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■ みんなで巣箱の設置場所を作ります。
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■ 州の田に設置された日本ミツバチの巣箱
 

自然界は勝ち負けだけでは決して長続きしません。お互いの干渉をある程度、許容しているのです。決して一人勝ちの世界ではありません。だから、土地に根付いた、自然の営みの中の『試行錯誤』そのものである在来種。そんなミツバチは地域の宝なのです。そのミツバチがその土地の花々から集めた蜂蜜はそこに住む人たちの財産なのです。」
と藤原さんは言う。そこには日本に住む「日本ミツバチ」と「日本人」という『在来種』が、同じ土地で共生できることを強く願う思いが込められている

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春を迎え、初めての蜂蜜の収穫を迎えたとき、島民で「はちみつ収穫祭」を開催するそうです。
またひとつ、御所浦の「よかもん」が増えたのではないでしょうか。

日本在来種みつばちの会
日本在来種みつばちの会事務局
〒020-0886 岩手県盛岡市若園町3-10 日本在来種みつばちの会事務局
TEL019-624-3001 FAX019-624-3118(藤原養蜂場内)
E-mail:hachinokai@fujiwara-yoho.co.jp
藤原養蜂場
URL:http://www.fujiwara-yoho.co.jp/

《講師プロフィール 》
藤原誠太
日本在来種ミツバチの会会長、東京農業大学客員教授
1957年岩手県盛岡市生まれ。独学で日本ミツバチの飼育法を模索し・確立し、「在来種は飼育が難しい」という既成概念を打破した。人工巣をはじめ、養蜂関係の開発も多くを手がける。現在は養蜂業の傍ら、ミツバチ類の保護と研究、人々への啓蒙活動に奔走中。

問い合わせ
ビオアイランドネットワーク事務局
担当 小室勇樹
E-mail:bioisland_net@yahoo.co.jp
ビオアイランドネットワーク
URL:http://mata-tabi.net/bioisland/

2007年04月07日「しっぱい、せいこ~う」

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2007年元旦の嵐口春日太鼓新春ライブと竹筒ローソクの話。

時計の針が子の刻(午前0時)を告げると同時に「ソーリャ」の掛け声がかかり、嵐口春日太鼓保存会の演奏がはじまった。

新年早々のイベントとして地区の皆さんにも好評を博している演奏は西暦2000年から続いている。
地区の有志は、同会の素晴らしい演奏に加えて、視覚的にも、これまでとは一味違う幻想的な雰囲気を演出しようと、年末から手作りのローソクを制作し、竹筒に入れられたそれに点火するこの時を待ちわびていた。

しかし・・・。

ローソクが悪かったのか、竹筒が悪かったのか定かではないが凪ぎ(なぎ = 波風が無い)にもかかわらず消灯するローソクが続出した。かろうじて光を放っていても竹筒の内側はローソクの炎から発せられる大量のススで辺りに劣らない漆黒と化した。ローソクの光が竹の内面に反射し、ほのかな光を放つという目論見は外れた。

「えらい暗かにゃ~(とっても暗いなあ)」
という声が会場のあちこちから聞かれ始めた時、会場内の電柱に取り付けられた水銀灯が光を放った。

主催者はローソク単独での採光を断念したのだ。

幻想的な光は、未確認飛行物体の着陸を思わせるきらびやかな水銀灯の光に変わった。太鼓の小気味よいリズムは心を鼓舞する軍艦マーチを連想させ、会場は、あたかも遊技場の店内のような雰囲気に。

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「しっぱい(失敗)、せいこ~う(成功)」。
“失敗は成功のもと”という言葉を聞きつけ、幼少時の姪が失敗したり間違いを犯したときに大きな声で言い放っていたことを思い出した。

「来年はちった(少しは)成功するごつ(成功するように)かんがゆわい(考えよう)」。
取り組みの表面的な成否にこだわらない無垢というか楽天的な気質が心地良かった。

今回の取り組みは、幻想的な光で会場を盛り上げるという目的に照らせば失敗の部類に入ってしまう。
しかし、力を合わせて何かをしようという心意気は、これからの種々の活動を成功に導く原動力。

記事:御所浦町住民