ごしょうら
御所浦地区

烏峠

~不知火海を見渡す、島のてっぺん~

烏峠展望台から望む不知火海の多島海(360度パノラマ)烏峠展望台から望む不知火海の多島海(360度パノラマ)

御所浦の最高峰、標高442.4mの「烏峠」。山頂の展望台に立つと、視界はぐるりと360度。眼下には、大小の島々が浮かぶ不知火海が広がります。まるで、空を映す大きな鏡のような眺めです。
烏峠は、公益財団法人日本離島センターの「しま山100選」にも選ばれています。

烏峠から見下ろす御所浦港と不知火海

眼下には御所浦港。定期船やフェリー、海上タクシー、漁船が行き交います。

■烏峠からの眺め

じつは、地元の島民が日ごろ烏峠へ上ることは、そう多くありません。住んでいれば、案外そんなものです。それでも、島にお客さんが来たら、ぜひ連れて行きたい。烏峠は、島の人にとってそんな場所です。お正月には、初日の出を見ようと訪れる人で、いつもより少しにぎわいます。

空気の澄んだ日には、山頂から驚くほど遠くまで見渡せます。
北西には、横浦島と天草上島。その向こうに、長崎県の雲仙普賢岳と平成新山が見えます。南東には霧島連山の韓国岳。南西には鹿児島県の獅子島と長島が連なり、双眼鏡を使えば、長島の稜線に並ぶ風力発電の風車も見つけられます。さらに条件がよければ、はるか沖に甑島列島の島影がうっすらと見えることもあります。

あるタクシーの運転手さんが、「世界一の眺めです」とお客さんを烏峠へ案内したところ、お客さんも納得して帰った――そんな話が残っています。
世界一とは、少し大げさに聞こえるかもしれません。でも、実際に山頂に立ってみると、きっとうなずけます。写真だけでは伝えきれない眺めです。

■烏峠から見える風景

  • 天草上島の向こうに望む雲仙岳。空気の澄んだ日に見られる景色です。

  • かつては、とんとこ漁が行われていました。ときには、芦北のうたせ船漁が見えることもあります。

芦北と向き合う御所浦島の東海岸。眼下には烏帽子集落が見えます。


■「烏峠」という地名の話
「烏峠」という名前がどこから来たのか、はっきりしたことは分かっていません。ただ、島にはいくつかの説が伝わっています。

一つ目は、「昔、カラスが多かったのではないか」という素朴な説です。たしかに島ではカラスをよく見かけます。ただ、トンビもウグイスもヤマガラもいるため、決め手には欠けます。

二つ目は、「カラ」は高くなった場所を表し、「ス」は接尾語だという説です。「湖国と文化」第91号に紹介されている考え方ですが、これをそのまま受け取ると、「高いところの峠」という、ずいぶん率直な名前になります。ちなみに大浦集落では、かつて烏峠を「タケヤマ」とも呼んでいたそうです。

三つ目は、「烏帽子集落の上にあるから」という、とんちの利いた説です。地図を見ると、烏帽子集落から北西へ上った先に烏峠があります。「烏・帽・子」の最初の一文字を取って「烏峠」。真偽はともかく、島らしい洒落っ気を感じる説です。

なお、国土地理院の地形図では「烏ヶ峠」と表記されています。一方、島では「からすとうげ」と呼ばれ、展望所の名称も「烏峠展望所」です。このページでは、島で親しまれている「烏峠」と表記します。


■旧道はどこを通っていた?
「峠」と聞くと、二つの山の間にある、尾根の低い場所を思い浮かべる人が多いかもしれません。ところが烏峠では、山頂付近が峠になっています。

地図に灰色の点線で示されているのが、かつて使われていた徒歩の道です。島の西側にある古屋敷・本郷・唐木崎の各集落から、東側の烏帽子集落へ向かうため、山頂付近を越えるルートが使われていました。集落と集落を結ぶ道の最も高い地点が、烏峠だったのです。

現在、この旧道は使われておらず、徒歩で通行するのも難しい状態です。車で向かう場合は、山頂まで車道が通じています。歩いて登るなら、次にご紹介するトレッキングコースをどうぞ。

  • 山頂まで車で行けるため、タクシーの利用も便利です。

  • 山頂にある二等三角点と展望台。

■歩いて登る――烏峠トレッキングコース

歩いて烏峠を目指すなら、嵐口(あらくち)登山口から山頂までのトレッキングコースが整備されています。所要時間は約2時間。樹林帯の尾根道を登っていくと、途中には嵐口港や八代海を見下ろす展望スポットがあり、道すがら次々と現れる木彫りのチェーンソーアートが登山者を迎えてくれます。

嵐口登山口までは、御所浦港から徒歩で約30分。タクシーの利用も便利です。島の食材を詰めた「登山弁当」(900円・5日前までに2個以上で予約)を、御所浦物産館しおさい館(Tel.0969-67-1234)で用意してもらうこともできます。

※暑い時期(6〜10月)の登山は控えることをおすすめします。

>詳しくは「御所浦・烏峠へ日帰りトレッキング」

基礎情報
◎地名 烏峠(国土地理院表記 烏ヶ峠)
◎所在地 天草市御所浦町(御所浦島)
◎標高 442.4m 基本基準点(二等三角点)
◎烏峠展望所施設 駐車場、トイレ、東屋、展望台
◎距離 御所浦港より約6km
◎所要時間(片道) 車15分(車道)/トレッキングコース 約2時間(嵐口登山口から)
◎タクシー料金 要問い合わせ(御所浦タクシー Tel.0969-67-3035
◎シェアカー EVカーシェア「シェアカーごしょうら」でも山頂まで行けます >ぐるっと御所浦。シェアカーのすすめ。